033 首都への道程

「リーム、首都に行く依頼(クエスト)はあるか?ランクはいくつでもいい。」

 冒険者ギルドに着くなり、カウンターへ行き受付嬢のリームに話しかける。

「キョ、キョウヤ様!私の名前を憶えてくれたんですか?嬉しいです…!」

 胸の前で手を組み目がハートになるリーム。反対に、俺の斜め後ろで暗黒のオーラを発する甘音(あまね)。

「なんだこの媚びたメスは…ビッチが!」

「アマネさん、お静かに。」

 怒れる乳牛娘の頭を小突き、諫める。

「あうっ!ごめんなさぃキョウさまぁ…。」

 突然強力な殺意を浴びせられたリームは驚き、固まってしまっている。

「すまんなリーム。それで条件に合うクエストはあるか?」

「…あっ!は、はい!えーと…あります!丁度アルビスの冒険者ギルドまで大量の食材を運ぶ依頼が地元の食材卸組合から来ています!」

「ではそれを受注しよう。」

 最早手慣れた流れでクエストを受注し、依頼内容の書かれた羊皮紙を受け取る。

日本のサラリーマンをしていた時は仕事の受注は複写物の受注伝票を回していたので、羊皮紙を受け取るという所作だけでも俺は毎回ワクワクしていた。

「…ん?」

 妙に周りからの視線を感じる。ギルドの男達が皆アマネの身体を舐め回す様にギラギラした目で見ていた。

 しまった。

 アマネの110センチJカップのおっぱいを強調する、牛柄ビキニのドエロな装いのまま街の中へ来ていたのだ。

 俺は急いで魔神の力でアマネのsexy過ぎる服装を変更した。背中と脇の空いた牛柄のミニワンピースだ。これでもまだ相当に蠱惑的ではあるが、ビキニ姿よりは肌の露出は少ない。

 周りからは歓声の声が上がる。逆に喜んでいる輩もいる様だ。もうさっさと移動しよう。

「アマネ、食材卸組合へ行くぞ。」

「はい、キョウ様。」

 ミディアムボブのオレンジ髪で垂れ目、超爆乳の牛柄ミニワンピースを着た、見た目十七歳の美少女を伴ってギルドを出る。

 食材卸組合で荷馬車を預かり、いよいよ首都アルビスへ向かい出発する。

「荷馬車で行くと半日の距離だ。途中魔獣も出る。注意を怠るなよ。」

「分かりました。」

 従順に答えるアマネ。つい頭を撫でてやりたくなってしまう。素直に返事をされるのは気分が良いものだ。

 レイギムの街を出て一時間もしない内に、川沿いの道で魔物の気配を察する。

「リザードマンか…。」

 全身に鱗を纏った二足歩行のトカゲの魔獣の群れだ。数は二〜三十。かなり多い。瞬時にアマネの服装を動きやすいビキニ姿に戻してやる。

「アマネ、前衛を頼む。俺は後衛で魔法を詠唱する。」

「はい!キョウ様!」

 アマネの身体が光り輝く。

「ハァァァァァァ!魔力燃焼(オーラバースト)!」

 アマネの身体が紅蓮のオーラで包まれる。その内在パワーが凄まじいポテンシャルである事がこちらまでビリビリと伝わってくる。

「こいつは凄い…!」

 思わず独り言(ご)ちる。アマネはリザードマンの群れの中へ飛び込み、次々と接近戦で魔獣を仕留めていく。

 アマネが交戦している間、俺は全体攻撃魔法の詠唱を始める。

「レーヴェ・レーヴェ・ウィズアルド…来たれ火の精霊!その力を顕現せよ…!」

 俺の両手に灼熱の炎が宿る。

「退がれアマネ!」

 彼女は瞬時に後退する。

「大炎焼球(ヴァイド・イーラ)!」

 ゴウン!!

 巨大な炎な塊が、リザードマンの群れを焼く。
 数秒程も燃えていただろうか、敵は全滅した。

「す…っ!」

 アマネがぽつりと言う。

「すごいスゴイ凄い!!凄いです!キョウ様っ!!」

 乳牛娘(ホルスタウロス)の目が完全にハートになっている。

「こんな凄い魔法まで唱えられるなんて…ヤダ、超カッコイイ…!」

 独り言の様にぶつぶつと喋りながらにじり寄って来る。心なしか吐息も荒い。

「ど、どうしたアマネ。」

 少したじろぎながら問う。

「キョウ様…抱いて下さいっ!」

 Jカップの超爆乳を押し付けながら、おねだりされた。

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