これから人造精霊達と一週間のお別れだ。少女達のたっての願いで、今晩はたっぷりと魔力充填をする事になった。
引っ越ししたての新居の寝室では狭いので、空間歪曲魔法を用いて四人同時に行為が出来る広い部屋を創りだす。
「「「お父さま(パパ)(お父さん)…一週間分、たっぷりと注ぎ込んで下さい…。」」」
全員敬語で俺の白濁汁をおねだりする。これからしばらく離れるからだろう、この晩、少女達の求め方はこれまで以上に激しかった。一晩中俺のモノが乾く事はなく、常に少女達誰かの穴か口に包まれていた。
その日、俺の一日の発射数は過去最高を記録した。
翌朝、こってりと注ぎ込まれた満足顔の人造精霊達を各国の国境まで瞬間移動魔法で送る。ルナはエルテス王国、レイナはファイズ帝国、まゆはローツェ共和国へそれぞれ送り届ける。
別れ際、少女達にキスをする。舌をヌルリと挿入れ、口腔内を撹拌し追加の魔力を注ぐ。少女達は余程嬉しかったのか、口付けを終えるとしばし惚けていた。
ルナ、レイナ、まゆの順に無事送り出した後、俺は久しぶりに一人になった。
俺はここ、ベイカレント公国の情報を集める前にする事があった。俺が転移してきた魔神の館、あそこはかなり広かったが、俺が人造精霊達と出立してから無防備の無人の館になってしまっているのではないか?という不安があったのだ。
あの館は俺の最初の拠点として確保しておきたい場所だ。俺はまゆを送ったその足で魔神の館へ瞬間移動した。周辺から確認したかったので、館から少しだけ離れた場所を着地場所に指定した。
そこには少しだけ懐かしい風景が広がっていた。初めて戦闘し、その後ルナ達に初の野外での魔力充填をした林が目に入る。
と、突然林の奥から血まみれの一見子牛の様な魔獣が飛び出してきた。それに続いて狼の魔獣の群れが追いかけてくる。その子牛風の魔獣は聞くに耐えない断末魔の悲鳴を上げ、一心不乱に逃げ惑う。その体はあちこちが喰い千切られ、見るも無残な姿であった。
「弱肉強食の自然の摂理か…。」
狼だって食べなければ飢え死にするのだ。俺はその子牛を見過ごし、館へ向けて歩を進める。と、その子牛が俺の傍まで走り寄り、足にすがり付いてきた。聞いている方が胸が締め付けられる様な悲壮な声を上げ、血反吐を吐く。
少しだけ逡巡するが、決意してからの俺の行動は一瞬だった。
「精製魔法!」
狼の群れの前に大人の牛一頭分の巨大な肉塊を精製する。芳醇な香りが漂い、自身さえも涎が出そうになる。
狼達は子牛の存在など忘れたように、その肉に喰らいつく。
「完全回復魔法!」
血まみれの子牛の千切れた体が修復される。流れてしまった血も魔法で補充してやる。
「あんな悲鳴を聞かされて見過ごしたら、夢見が悪そうだしな…。」
そう独り言ちる。
子牛の様な魔獣は何が起きたか分からないと言った様子で、俺を見上げキョトンとしている。俺はそれを無視し、館へと再び歩き出す。
「おいおい…。」
子牛は俺の後を付いて来た。懐かれてしまったのか、行く宛も無く頼られているのか…どちらにしろ困った。
そのまま館の入り口まで到着する。館には結界が張られたままだ。どうやら侵入者は居ないらしい。ほっと胸を撫で下ろす。
ただ、無人にしておくのはやはり無用心かも知れない。チラリと足元の子牛を見る。俺は閃いた。
「こいつに魔力を与えて守護者(ガーディアン)にするか。」