「昨夜はだいぶお楽しみでしたね。」
「ホントだよ!レイナだって魔力不足なのに!」
ルナとレイナがジト目で話しかけてくる。この位の嫉妬は可愛いものだ。
「ああ。つい夢中になってな。また沢山お前達にもしてやるから。」
「「約束です(だ)よ!」」
一方、まゆは桃源郷に居る様な、うっとりした顔をしていた。
「恨めしい…!」
「その顔マジムカつく。」
昨日の魔力充填が余程良かったのか、まゆはしばらくお花畑モードのご様子だ。
さて、今日はいよいよ新居への引っ越しだ。引っ越しと言っても俺達は手荷物は無いので、今日は新居の掃除に明け暮れる訳だが。
場所はレイギムの街の少し外れ。5LDKの庭付き一戸建てだ。きちんと風呂も備わっている。
少し年季が入っているが、かなり良い物件ではないだろうか。
街の中心、噴水広場までのアクセスも悪くない。
「さて、まずはお掃除だ。綺麗にするぞ!」
「「「はぁい!!!」」」
それから一日かけて四人で新居の掃除をした。大変だったが、苦労の末かなり綺麗にする事が出来た。
それと、露出の多い服を着た少女達が懸命に掃除をする様を眺めるのもとても目の保養になり楽しい時間になった。
「自炊は明日からにして、今日は外食するか。何でも好きな物をご馳走してやる。」
「「「ほんとう(ですか)!?」」」
跳ねて喜ぶ少女三人。若い娘がきゃあきゃあとはしゃいでいるのは、見るだけで幸せな気持ちになる。
俺が元は日本の疲れたサラリーマンだからだろうか。とにかく今は、若い彼女らが居るだけで癒される事が多い。
いつも冒険者ギルド一階の酒場で食べていたので、今日は気分転換に別の店に行こう。街を徘徊し、ちょっとしたレストラン風の店を見つけそこに入る。
テーブルに着き、肉料理を中心に色々と頼む。
食前酒も人数分頼んだ。地球でも国に寄っては十代から飲酒可能な所もあるし、ましてやここは異世界だ。無礼講だろう。
「今日はお疲れ様。乾杯。」
「「「おつかれさまです!」」」
金属製のグラスが、カキンと鳴る。
久しぶりの酒だ。グイッと一気に煽る。
…ウマイ!
考えてみれば、異世界へ来てから初めての酒だった。
人造精霊達は可愛らしく両手でグラスを持ち、クピクピと飲んでいる。
「美味しいです!」
「おいしーーい!コレおいしいね!パパ!」
「お父さんのセレクトに間違い無しですね!美味しい!」
気に入ってくれた様だ。
「明日は世界地図を買おうと思う。俺達は魔神の屋敷とこのレイギムの街しか知らないからな。全体図をそろそろ把握しておこう。」
「そうですねお父さま。この先、別の街を目指すにしても必要な事ですね。」
「レイナは何でもいいよー!パパにずっと付いてく!」
「まゆはお父さんと色々な所を回れるだけで嬉しいなぁ。」
しばし雑談していると、どんどんと料理が運ばれてくる。
「さあ食べよう。」
割りと値の張るメニューを頼んだので、料理はどれも美味だった。同時に酒も進む。気付いたら、四人ともかなりの量の酒を飲んでいた。
「ふにゃ…。パパぁん…愛してます…。ちゅっちゅっ。」
ルナがしなだれかかり、頬にキスをしてくる。
「んん〜ん…。パパだぁい好きぃ…。レイナ、いつもパパ見てるだけでドキドキしてるんだよ?」
レイナは俺の肩にスリスリと頬ずりしている。
「んにゃぁ…。お父さん、またえっちで変態なコトまゆに教えてぇん…?」
まゆは席を立ち、俺の背後に回り爆乳を頭に乗せて抱きついてくる。
何という事だ。三人は揃いも揃って甘え上戸(イチャイチャ上戸)だった。
「よ、酔いを冷まさないといけないな。料理もあらかた食べ終わったし、外で涼もう。」
会計をし、引きずる様に三人の少女を連れ立って店外へ出る。