018 朝のご奉仕→物件探し

「おはようございますお父さま…んっんっ…。」

 しばらくして重ねられた唇が離れる。

「んはぁ…んぅ…。」

 互いの舌からツ…と一筋の体液の線が伸びる。

 キスの後、昂ぶったものをゆっくりと口と中で鎮めてもらい、少女の朝のお勤めが終わる。うむ、今朝も気分の良い目覚めだ。

 今日は不動産を周り、俺達の新居の目星を付ける。

 まずは冒険者ギルドの受付嬢に不動産屋の場所を聞こう。

「キョ、キョウヤ様!依頼クエストをお探しですか?」

 俺が近づくなり受付嬢の顔がみるみる赤くなる。女性がこういう反応をするのも、魔神の力で超絶イケメンになったからだ。平凡なサラリーマンだった俺がこの体で女性と接するのは実に楽しい。

「いや、今日は不動産屋を紹介して欲しい。」

「分かりました!レイギムの街に不動産は一つしかありませんので、私からの紹介状を今したためますね?」

 そそくさと紹介状を用意してくれる受付嬢。
 初見で行くより誰かの紹介の方がぼったくりやいい加減な対応をされないだろう。こういう人の繋がりは大事だ。

「どうぞキョウヤ様!」

「ありがとう。」

 書状を受け取り、ギルドを後にする。後ろからは受付嬢達の黄色い声が尾を引く。

 人造精霊ドール達がぶすっと不貞腐れている。やはり俺が女性に色目で見られると、娘達は負のオーラを出しまくる。
 これ迄の様に相手に殺気を向ける事はしなくなったのがせめてもの救いだ。

 不動産屋に着き紹介状を見せ、早速希望を伝える。

「寝室二部屋にリビングとキッチンのある物件を見せてくれ。」

「その広さだと一戸建てになるよ。」

 この世界…というかこの街の住居は、基本的に宿屋以外は日本でいう1Kのアパートか、後は家族で住む一戸建てになるようだ。

確かに異世界ファンタジーのゲーム等でもアパートやマンションは見た記憶は俺は無い。

「では、一戸建てで最低今言った部屋数のあるものを見せてくれ。」

「分かった。リームちゃんの紹介だし良い物件を案内するよ。」

 数件内見し、街外れにある物件が目に止まった。
 少しボロだが希望以上の広さを満たし家具も備え付けられている。立地も悪くない。

「ここはいくらだ?」

「毎月九百ルクだよ。」

 九百ルクという事は日本円にして家賃九万か。それで一戸建てに住めるなんて掘り出し物ではないだろうか。

「敷金礼金は?」

「シキ?何だって?」

 どうやら敷金礼金という慣習は無いらしい。入居したければ、家賃分を日割りで払えば良いとの事だ。

「ここを契約しよう。明日からだ。」

「まいどあり!」

 必要書類にサインし、契約する。
 さて、無事物件も決まったので食事にする。皆も少し疲れているだろう。近場の喫茶店に入る。

「皆ご苦労様。あそこで良かったか?」

 注文し、少女達に問いかける。

「広くて良いと思います。」
「だね!掃除必須だけど!」
「綺麗にすれば大丈夫じゃないかな?」

 とりあえず明日入居したら大掃除をするか。
 今日はギルドに戻り何か一つクエストを受注しよう。
 難度の高いクエストを受注すれば俺達の名声も上がる。今の様に自分達から仕事を探さなくとも、相手から依頼される事も出てくるだろう。

 もっともっとこの世界を楽しんでみたい。
 今はまだ、こんな気持ちで動いているがその内どうしてもやってみたい事も見つかるかも知れない。それまでは冒険者としてのランクをひたすら上げるのだ。

 そうこう考えている内にギルドに戻った。
 受付嬢のカミエに礼を言い、現在受けられるクエストの中で最難易度のC+のものを受注する。

 魔獣キメラ一匹の討伐。
 それがC+のクエスト内容だった。レイギムの街の西の街道に出現し、人々を襲っている様だ。

 俺はクエスト受注手続きを済ませ、早速西の街道へ向かう。冒険者ランクが上がったので、今回は別のパーティと組まずソロで受注する事が出来た。

「お前達、油断するなよ。クエストランクが上がり敵はどんどん強くなってる。」

 ドール達に注意を促す。

「分かりましたお父さま。」
「任せてパパ!」
「お父さんに心配かけないようにするね?」

 良い返事だ。いつも素直で良い娘達に愛しさが込み上げ、頭を撫でてやる。

だ。」

 たちまち顔が真っ赤に茹で上がる少女達。この反応もいつも初々しく、いかにも十三歳らしくて微笑ましい気分になる。俺は自然と笑みが溢れる。

 街道をしばらく行くと、キメラとの遭遇ポイントに着いた。ここから魔神の力で魔獣を探索サーチし、正確な場所を割り出す。

 街道を少し外れた岩場の上。そこに魔獣キメラは居た。

 デカイ。

 体高三メートル、体長五メートルはある。物凄い迫力だ…。

 さあ、戦闘開始だ。

ひとつ戻る  ひとつ進む

目次  TOP

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。